EDITORIAL ARCHIVE

悪役令息はママが好き

SETTING ARCHIVE — FOR EDITOR

設定資料集

主人公ハイン・セラ・アステール 語り三人称全知(EP間幕間)+一人称(ハイン視点) 連載進捗第一章完(EP140)/第二章進行中

作品概要

WORK OVERVIEW

異世界ファンタジー・時間遡行・悪役令息・マザコン物。勇者アゼルが時間を巻き戻した結果、世界は「本来の歴史」と「平行世界(現行世界)」に分岐した。分岐点は、母ヘルガが赤子のハインを愛し抜いた瞬間。本来の歴史では魔王の器となるハインが、現行世界では母のために世界を掌握しようとする。

ジャンル

異世界ファンタジー/転生・時間遡行/悪役令息もの

成人向け要素を内包(行為描写・加虐性・政治的暴力)。学園パートと広域政治・戦争パートを往還する構成。

主題

愛!

基本的にヘルガを世界の頂点に押し上げるためにハインは行動している

独自性

二重歴史構造を全編で維持する。各話末尾の「◆◆◆パート(全知視点)」で本来の歴史の事件を対置し、現行世界のハインの行動がいかに運命を歪めているかを読者に示し続ける。

語りの特性

基本はハイン一人称視点(内心は「俺」、母前は「僕」、公的には「私」)。各話末尾に三人称全知視点の幕間を置く二層構造。

正史の悲惨と現行の差異を強調していきたい

モチーフ1 ── 母性

基本的に邪悪なハインが悪さをしないのは、ヘルガに叱られるのが嫌だから。

モチーフ2 ── 狂信

ハインはヘルガを愛しているが、信仰もしている

モチーフ3 ── 運命の反転

悲劇の予定調和が喜劇に反転。正史で犠牲となる筈だった者が、主人公の偏愛の副産物として救済されていくかんじ

モチーフ4 ── 狂信の感染

ハインが何かやるたびに周囲はハイン様すげーとなってハインをよいしょする感じ

世界観

WORLD & LORE

二重歴史構造

本作最大の特徴は「本来の歴史」と「平行世界(現行世界)」の対比構造である。勇者アゼルが時間を巻き戻したことにより、世界はハインの母ヘルガが赤子のハインを愛し抜いた瞬間から分岐し、運命の歯車が別方向へ回り始めた。本来の歴史では魔王と化して世界を滅ぼすはずだった悪役令息が、現行世界では母のために世界を征服しようとしている。詳細は本来の歴史の章を参照。

本来の歴史 ── 悲劇の正史

  • ハインは魔王ベルゼイの器となり世界を恐怖に陥れる
  • 勇者アゼルが魔王を討つも、戦後に帝国から迫害され抹殺される
  • アゼルの仲間エスメラルダ・ガルデムも殺害、恋人セレナは魔王戦で死亡
  • 宰相ジギタリスの亜人弾圧で帝国は内側から腐敗
  • 不死王ファビアンがユグドラ公国を死者の国へ変える
  • ノルン王国王グルンベルドは魔狼と化し国民を虐殺
  • アゼルが「やり直したい」と願いながら死に、時間が巻き戻る

平行世界 ── 現行の喜劇

  • ヘルガの愛を受けて育ったハインの魂が光に満たされる
  • 魔王ベルゼイをハインが「母上の邪魔だから」と消し炭にする
  • 時間遡行したアゼルは別人化したハインに困惑
  • 宰相ジギタリスはハインの力に魅入られ崇拝に反転
  • 不死王ファビアンは不完全復活に留まり、戦乙女エイラに討たれる
  • グルンベルド王は異母妹アヴィアナに殺害される
  • 本来殺される筈だった者がハインの偏愛の副産物で救済される

ガイネス帝国

セレンディア大陸中央に位置する強国。常に魔王軍との戦争最前線にあった歴史を持つ。

  • 帝都カイネスフリード
  • 皇帝ヴァルフリード(本編時点では昏睡状態)
  • 政治体制宰相派(ジギタリス)vs亜人貴族派(アステール家+サリオン家中心)の対立軸
  • 人種序列法宰相派が推進する亜人弾圧の根拠法
  • 皇位継承候補第一皇子ルドヴィーク/第一皇女カテリーナ/第二皇子ヴィクトル/第二皇女アナスタシア
地勢的に他国から攻められ辛く、長らく発展を享受。帝国臣民の厭戦感情・危機感の無さが、本来の歴史では魔王軍復活時の被害を拡大させた。

十二公家

帝国領土の要所を護る12の公爵家。領地統治が主務の一般公爵家とは異なり、国防・儀礼・魔術研究を担う戦闘官僚機構である。

家名役割血継魔術
アステール帝都防衛(剣)星辰魔術
サリオン帝都防衛(盾)結界術
オルレアン剣聖家系剣理(代々剣聖輩出)
カリステ北西方面/オルケンシュタイン山脈無機物への命の付与
その他八家帝国各地の防衛各種血継魔術
アステール家は本来の歴史では剣術大会後に十二公家を除名された。現行世界ではハインの活躍により地位を保っている。

主要地名

  • カイネスフリードガイネス帝国の帝都
  • ユグドラ公国大陸西方の宗教国家。天教を信奉。「屍の塔」事件の舞台
  • ユグドラシルユグドラ公国の王都。樹齢千年のオウキの根が城壁を成す
  • ノルン王国北方極寒の地。狂王グルンベルド事件の舞台
  • ダルクヘイム要塞旧魔王軍西方方面軍の本拠。ネザシア海(深淵の海)が天然の防壁
  • ラドゥフの町帝都南西の宿場町
  • オルケンシュタイン山脈カリステ公爵家の領地
  • 大森林東森・西森・南森・北森の四区画で構成

主要勢力・組織

  • 帝国占星院国の未来を占う(主席:グレゴール・アルトマン)
  • 冒険者ギルド銅→鉄→金の等級制
  • 盗賊ギルド斥候の受け皿組織(賊ではない)
  • クラウゼヴィッツ商会帝国最大の商業連合体
  • 天教ユグドラ公国の国教。聖女マリーシアを祖とする

種族・血統

  • 人間帝国の多数派。十二公家も基本は人間
  • エルフェン種白い肌の亜人貴種。エルデンブルーム伯爵家(ヘルガの生家)の始祖
  • デルフェン種黒い肌の亜人貴種。長耳、体臭が相手を高揚させる特性。フェリ(フェンリィ)
  • 半鬼種人間と大鬼のハーフ。ガッデムが代表例
  • 竜種旧魔王軍の主力。体躯・知性・魔力すべてで人間を凌駕
  • 蟲の魔族群体として存在する魔王ベルゼイの種族

魔王と勇者の法則

魔術の絶対者=魔王、天術の絶対者=勇者。勇者だけが魔王を滅ぼしうる、という世界の根本法則がある。

  • 魔王は負の情念(憎悪・怒り・憎しみ・絶望)では滅ぼせない
  • 勇者の天術もまた純粋な正の意志を源泉とする
  • ハインの「母への純粋な愛」は負の情念ではないため、魔王ベルゼイを消滅させる例外事項となった
ハインの母への純愛はこの法則の例外事項。勇者アゼルの本来の役割(魔王討伐)を先回りで奪った形となる。

本来の歴史

THE TRUE HISTORY — TIMELINE OF THE DOOMED WORLD

ハイン・セラ・アステールが母への愛を知らぬまま育ち、魔王の器として覚醒し、世界を破滅に導く──それが「本来の歴史」。原作本文(各話末尾の◆◆◆パート(全知視点)およびEP140「ママが好き(完)」総括章)に点在する記述を、年代・地域別に整理した。

ハインの軌跡 ── 魔王の器への転落
生誕と母の選択
EP2 後語り

ヘルガは夫ダミアンから生まれたばかりのハインの殺害を迫られ、それに同意する。息子の異常性が恐ろしくてならなかったからだ。しかしダミアンは息子を有効活用する方向へ思い直し、結局アステール公爵家で育てられることが決定する。

現行ヘルガが身を挺して息子を庇う。愛を知ったハインはマザコンと化し、全ての運命がずれ始める。
学園入学 ── 典型的悪役貴族としての蹉跌
EP4〜5

本来のハインは傲慢で邪悪な典型的悪役貴族。入学初日にセレナ・イラ・ファフニルを怒鳴り散らしファフニル家を貶め、唾まで吐きかける。馬車の後方からそれを見たアゼル・セラ・アルファイドとの因縁が生じる。

帝都急襲『空喰い』オルムンド襲撃
EP6〜7

アゼルとセレナが勇者と聖女として覚醒、未熟ながらオルムンドを撃退。ハインは一切手を貸さず冷笑して傍観。

婚約破棄
EP9 後語り

サリオン公爵邸での茶会で、エスメラルダから正式に婚約破棄を通告される。「切れない剣に用はありません」と。

剣術大会での醜態と魂の崩壊
EP35〜36

魔術を封じられた状態では勝てぬと悟り、体調不良を装って出場を取り止める。「嫡子が剣術大会から逃げた」という悪評が帝都を駆け巡り、アステール家は十二公家除名の瀬戸際へ追い込まれる。愛を知らず孤立し、自らの力に溺れ、絶望した魂の深淵に魔王の意志がずるりと入り込む。

魔王の器としての覚醒と世界掌握
EP140 総括章

半覚醒状態のハインは禁忌の魔術に次々手を染める。奴隷を贄にした暗黒儀式を重ね、やがて普通の市民まで犠牲にする。最終的にハインは魔王に肉体を乗っ取られ、ガイネス帝国ひいては世界を掌握せんとする。そして勇者アゼルによって討たれるという悲惨な最期を遂げる。

ヘルガの運命
魔力の病による早逝
EP24 周辺

ヘルガはハインが魔王の器となる頃までに「原因不明の病」で死ぬ。原因は魔力だった。魔力は粒──結局は物質であり、他人の魔力の残滓が体内で悪性に変質する病である。師弟関係を結ぶ魔術師に多発し、後世、数千数万という才能ある魔術師が同じ病で命を落とす。

現行ハインが体内に「ハインの粒」を浸透させて保護しているため、ヘルガは死なない。
ガイネス帝国の崩壊
宰相ジギタリスの恐怖政治
EP27 周辺

人間至上主義がエスカレート。亜人から財産を没収しスラムへ追放、強制労働、抵抗者は処刑。帝都の広場には毎日のように絞首台が並び、亜人の死体が晒される。やがて恐怖政治は人間たちへも向けられ、逆らう貴族は粛清され、皇帝ヴァルフリードは完全に傀儡と化す。

旧魔王軍の侵攻
EP140 総括章

国力が疲弊し民心が離れた帝国に、東方から旧魔王軍が侵攻を開始。イグドラ率いる竜の大群が帝都を襲う。内乱と外患の二重苦により帝国は滅亡の淵へ追いやられる。

アステール家の失墜と除名
EP35〜36

帝都防衛の任を果たさず、ハインがフェンリィを凌辱殺害した一件で亜人種から蛇蝎のごとく嫌われ、剣術大会での醜態と暗黒儀式の噂で十二公家を除名される。

勇者殺しの裏切りと帝国滅亡
EP27/EP140

魔王ハインが滅びた後、帝国はアゼル・エスメラルダ・ガルデム・セレナら英雄たちを抹殺する。この裏切りが世界の怒りに火を点け、かつての敵国同士が復讐の旗印の下に合従軍を形成し津波のごとく押し寄せる。十二公家の奮戦で七年は持ちこたえたが、最終的に滅亡する。

帝国滅亡後も世界平和は訪れず、賢王と呼ばれた者が突如狂って周辺諸国を呑み込もうとしたり、特定の民族を根絶やしにしようとする暴虐の連鎖が続く。
ユグドラ公国 ── 死者の国化
不死王ファビアンの完全復活
EP89〜93

ユグドラの森に築かれた四本の「屍の塔」が完成する。何千何万という冒険者・兵士・無辜の民が贄となり、塔の完成と同時に不死王ファビアンは完全なる姿で現世に降臨する。

死の瘴気による国土崩壊
EP89〜93

死の瘴気が国中を覆い尽くし、生きとし生けるものが次々と息絶え、即座にアンデッドとして蘇る。親が子を喰らい、友が友を殺す。美しい森は腐海に沈み、清らかな湖は血の池となる。溢れ出した死者の軍勢は隣接諸国へ雪崩れ込み、大陸西部は未曾有の災厄に襲われる。

聖女エイラの悲劇
EP89〜93

聖女マリーシアの末裔エイラは、本来の歴史では悲劇のヒロインとなる筈だった女。仲間を殺され、自身も捕らえられ、不死王の慰み者として、あるいは新たな魔物を産み落とす苗床として、惨たらしい最期を遂げる運命にあった。

現行ハインによる三本の塔の破壊でファビアンは不完全復活に留まり、エイラの槍で討伐される。エイラは以後「黒衣の神」を崇める異教を始動。
ノルン王国 ── 魔狼の狩り場
グルンベルド王の魔狼化
EP126 周辺

元来、勇猛だが狭量で猜疑心の強い男。その心の隙間に魔王となったハインの囁きが入り込む。異母妹の宮廷魔術師アヴィアナを歪んだ欲望の掃き溜めとしていたが、やがて彼女の持つ精霊の血そのものを欲する。

アヴィアナ捕食
EP126 周辺

魔王ハインの甘美な囁きに乗せられた彼は、アヴィアナを寝室に呼びつけ、犯し、その柔らかな喉笛に牙を突き立てて血を啜り肉を食む。文字通りの食人である。禁忌の儀式によりグルンベルドは人ならざる者「魔狼」へと変貌する。

魔狼による国民虐殺
EP126 周辺

理性と人間性を完全に喪失した魔狼は、力と破壊のみを求める獣として自国民を手当たり次第に蹂躙する。ノルンの白い雪原は民の血で赤く染まり、最強の魔術師だったアヴィアナは既に彼の腹の中、精強を誇った竜騎士団も為す術なく屠られる。

現行異母妹アヴィアナがハインの力を知り、王を殺害して自らの目を潰し雪原に消える。
アステール家使用人の運命
フェンリィ ── 四肢切断のダルマ
EP10/EP55

デルフェン種の貴種フェンリィ。本来のハインはその麗しい見目に嗜虐欲を刺激され、彼女を購入する。美しい四肢を切断し、舌を切除し、ただ性欲を受け止めるだけの肉人形にした末に殺害。この事件はアステール家が亜人種から蛇蝎のごとく嫌われる直接の原因となった。デルフェン種の体臭には相手を嗜虐的にさせる作用があり、ハイン自身の残虐性がそれに誘発された側面もある。

現行ハインに購入後、再生治療を施され激烈な忠誠を捧げる「フェリ」として復活。
ガルデム ── 勇者一行の英雄
EP8 後語り

ハーフオーガのガルデムは本来の歴史では勇者一行の魔王討伐に大きく貢献する英雄。しかし半生は苦難に満ちていた。出自ゆえに「不浄の子」と蔑まれ、奴隷商人のもとで過酷な労働と虐待を受ける。本来のハインは彼の強靭な体躯に興味を抱き、興味本位で購入。名前すら尋ねず、ただの壊れにくいおもちゃとして扱い虐待を加えた。

そんな彼を救ったのが覚醒したアゼル。ガルデムの身柄を賭けてハインと決闘し勝利。食事や衣服を与え、人間らしい扱いを初めて受けたガルデムは静かに涙を流しアゼルへ忠誠を誓った。

名の差異アゼルが名を尋ねた時、衰弱のあまり「ガ、デム……」と名乗った。現行世界では発音から「ガッデム」が定着。
グラマン ── 剣術大会後の消息不明
EP38 周辺

「地龍殺し」の異名を持つ元冒険者グラマン・セラ・ロックガルドは、剣術大会の後に消息を断つ。世間の噂は尽きず──アステール家に見切りをつけて姿を消した、他家の刺客に殺された、等々──最も信憑性をもって囁かれたのは、主君ハイン自身の手で処断されたという説である。

オーマ ── 帝都を蝕む低級悪霊
EP22〜23

本来のオーマは帝都の負の感情を餌に成長した低級悪霊。貴族たちの邪念を増大させ利己的な行動へ駆り立てる。結果、貴族たちは勇者の存在を疎ましく思い、最終的にアゼルら勇者一行を排除しようと画策するまでに至る。暗黒の法に傾倒したハインは、オーマにとって単なる餌の一種でしかなかった。

被害者たち
『銀狼の牙』四兄妹全滅
関連各話

堅実な冒険者として知られた四兄妹(サヴァトラ他)は、末妹カレルの治療費を稼ぐため『攫い舌のボギー・ワン・フロッグ』に挑み、全滅する。兄たちは魔物の一部となり苦悶の表情で助けを乞う姿を長兄に見せながら、永劫の苦しみを味わい続けた。帝都に残されたカレルは兄たちの帰りを待ち続けたが、病が進行し、治療薬も買えず、安宿の一室で孤独の中に息を引き取った。

『紅の花弁』四人娘全滅
EP144〜145

銅等級の冒険者パーティ『紅の花弁』は、強化個体のストーン・ビートル(通常種の倍の体躯、黒輝石めいた甲殻、金等級推奨)に遭遇。シルヴィは鉤爪で胴体を薙がれ即死。ミーナは腕を引きちぎられ背中を貫かれて死亡。ヴィオラは短剣で甲殻の隙間に飛び込むも頭部を潰される。ルイーザは殺されず巣穴に運ばれて苗床にされ、七日間生きた。体内で孵化した幼体が内臓を食い破って外に出るまで、銅等級前衛として鍛えた肉体が皮肉にも彼女の生存時間を延ばした。

ボギー・ワン・フロッグの怪物化
関連各話

銀狼の牙を皮切りに捜索の冒険者たちを次々と捕食し、嘆きの沼の他の魔物まで取り込んで成長。体躯は十メトル超、体表には数百の人間の顔が浮かび絶えず悲鳴と怨嗟を上げる。金等級パーティ複数による討伐隊も壊滅し、後に勇者パーティの一員となるはずだった有力冒険者もここで失われた。

参照典拠 ── EP2「ママは悪役令息が好き」後語り/EP4〜5(セレナ・エスメラルダとの因縁)/EP6〜7(帝都急襲・オルムンド・イグドラ)/EP8「ママとすやすや」後語り(ガッデム経緯)/EP9後語り(婚約破棄)/EP10「劣等と一緒」(フェリの運命)/EP22〜23周辺(オーマの邪悪性)/EP24周辺(ヘルガの魔力病)/EP27周辺(帝国滅亡までの七年)/EP35〜36「剣術大会」(ハインの変容・十二公家除名)/EP38周辺(グラマンの消息)/EP55周辺(アステール家と亜人種)/EP89〜93周辺(不死王ファビアンとエイラ)/EP126周辺(グルンベルドとアヴィアナ)/EP140「ママが好き(完)」── 第一章総括章(本節の骨格)/EP144〜145周辺(紅の花弁)

アステール公爵家

HOUSE OF ASTELL

十二公家の一翼。帝都防衛の「剣」を担う星辰魔術の家系。当主ダミアン亡き後、正室ヘルガがハインの成人まで当主代行として家督を預かる。実務は老家宰グラマンと使用人頭フェリが取り仕切る。

主家
HEIN SERA ASTELL ハイン・セラ・アステール
アステール公爵家嫡男/主人公
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
人間(男)
年齢
10代前半(学園入学年齢)
黒/ミディアムヘア
紫紺
体格
同年代比で小柄・華奢寄り
顔印象
いかにも悪役令息、美形でワルそう
服装
公的場面は常にきっちり整えた貴族服
一人称
俺(内心)/僕(母前)/私(公的)
能力
星辰魔術の最高位使い手。星の火・重力操作・飛翔・複層振動・瞑想による精神時間圧縮
性格
マザコンのベジータ。母ヘルガと一部の身内以外を人間として見ていない。母の教えに従い表面上は礼節を保つ
「母上、お早うございます」「劣等め」「世界の全てを母上に捧げねばならない」
本来

魔王ベルゼイの器となり世界を恐怖に陥れる筈だった。勇者アゼルに討たれて最期。

現行

母の愛で魂が光に満たされ、魔王を「母上の邪魔だから」と消し炭にする。基本的に邪悪な性格は変わらない。

HELGA ILA ASTELL ヘルガ・イラ・アステール
アステール公爵家当主代行/ハインの母
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
人間(伯爵家出身/エルフェン種の血を僅かに引く)
年齢
三十代
黒髪ロング
体格
成人女性として標準/胸がおおきい
顔印象
上品で慈悲深い
服装
緑の貴族衣
参考
松島奈々子のイメージ
一人称
私/ママ(ハインに乞われて)
能力
伯爵家出身ながら異常に多い魔力量。年々増大中
性格
慈愛深く温厚、上品な敬体。子離れできていない息子命の母親だと自覚しつつ、それを表に出さないよう努める
「ハイン、お友達と仲良くしなさい」「ママでしょ?」「だめです」
本来

夫ダミアンにハインを殺せと言われ従おうとし、最終的に魔力病で早逝する。

現行

身を挺して息子を庇った瞬間から世界線が分岐。ハインが体内に「ハインの粒」を浸透させ保護しているため不死身状態。

使用人
GRAMMAN SERA ROCKGARD グラマン・セラ・ロックガルド
老家宰/財務・政治分析の参謀/元冒険者「地龍殺し」
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
人間(200歳超)
体格
背が高い
服装
家宰としての礼装
一人称
口調
声がデカく暑苦しい頑固爺
能力
魔拳士。冒険者時代の異名「地龍殺し」
経歴
先代勇者の仲間として魔族を滅ぼしたが、平民出身ゆえに当時の皇帝に疎まれ姿を隠した。現在はアステール公爵家の家宰
忠義
公爵家への忠義が主君ハインへの忠義より優先する。話は通じる
「若様」「特別支援金、と名付けましょう」
本来

邪悪さを増すハインを掣肘しようとし、剣術大会後に行方不明。主君の手で処断された説が有力。

現行

家宰として財政・政治戦略を支える知恵袋。ファリス(旧魔王軍氷竜)との激闘で左眼を奪われる。

GADDAM ガッデム
門番兼ハインの鍛錬相手/半鬼種
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
半鬼種(人間と大鬼のハーフ)
身長
3mくらい
体重
200kgくらい
深緑
装備
黒い鎧を着こむ/門番としての装備
一人称
口調
無骨で短い戦闘口調
性格
無骨、忠実
役割
門番兼ハインの鍛錬相手。鍛錬に全力で付き合う
「ぬ、ぐ、おおおッ!!ごろすッ!!!」
本来

ハインの邪悪な魔術の実験台となるが、後にアゼルに救出され、勇者パーティのメインアタッカーとなる。

現行

「ガ、デム……」と名乗った瞬間から発音が定着。アステール家の忠実な門番として鍛錬に励む。

FERI / FENRY フェリ(フェンリィ)
使用人頭兼警護/デルフェン種(貴種)
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
デルフェン種(貴種)
年齢
見た目は若い娘
黒肌(エルフェンは白肌、デルフェンは黒肌)
デルフェン種特有の長耳
体質
体臭が相手を高揚・嗜虐的にさせる/肌が冷たい
服装
使用人頭としての制服
一人称
わたくし
能力
気配隠匿に優れた暗殺者
性格
ハインに対して狂信的。ハインが絡まなければ普通
役割
使用人頭兼警護。屋敷の実務を取り仕切る
「若様、フェリで御座います」「かしこまりました」
本来

ハインに四肢・舌を切除された末に弄ばれて殺害される。デルフェン種の体臭がハインの嗜虐性を誘発した。

現行

ハインが購入後、再生治療を施される。激烈な忠誠を捧げる信仰的・狂気的存在として復活。

OMA オーマ
庭師/元・帝都の負の念を餌にしていた怨霊
VISUAL SPEC ── 外見仕様
本体
黒い人影/漆黒の身体から無数の触手状の肢が蠢く
形態
捕食した生物の形態を取る(形態可変)
名由来
ハインが命名、意味は「闇」
言葉
カタコト
性格
基本的に邪悪だが公爵家には忠実
挙動
ハインの生命力の光に魅了された闇の存在。敵に対しては凌辱・捕食する本性
経緯
EP22〜23でシャルキを喰い、以後は竜化も可能
本来

怨霊として帝都の貴族の邪念を増大させ、勇者排除の陰謀を誘発した。最終的にアゼルに滅ぼされる。

現行

ハインの傍にいるだけで満足。アステール邸の庭師として平穏に勤務中。

勇者パーティ

HERO PARTY

本来の歴史で魔王ハインを討つ筈だった時間遡行勇者アゼルと、その仲間たち。現行世界ではハインが先に魔を祓ってしまうため、勇者の本領が発揮される機会を失い、アゼルは存在意義の危機に立たされている。

AZEL SERA ALPHIDE アゼル・セラ・アルファイド
アルファイド伯爵家嫡男/時間遡行者「勇者」
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
人間(男)
年齢
ハインと同年代(学園入学年齢)
身長
ハインより高い
やや赤みがかっている
体格
引き締まった体格
顔印象
笑顔が似合う陽キャイケメン
服装
学園制服/旅装は軽装
所持品
稽古剣(聖剣は封印状態)
一人称
口調
陽気で馴れ馴れしい体育会系
能力
勇者の力(現在は制限あり)。聖剣使用は肉体の成長待ち。剣技は達人級
性格
空気読めない陽キャ。面倒見が良く、ハインに嫌われても友達になろうとする
「よう、ハイン!」「俺はお前に興味があるんだ!」「前世?からの付き合いだよ」
本来

魔王ハインを討つ英雄。エスメラルダ・セレナとの三角関係。魔王討伐後に帝国に抹殺される。死に際に「やり直したい」と願い時間が巻き戻る。

現行

別人化したハインに困惑。勇者の本領を発揮する場を失い、第二章では聖女エイラを訪ねて北森へ向かう。薬師リゼット・ネーベルと同行中。

ESMERALDA ILA SARION エスメラルダ・イラ・サリオン
サリオン公爵家令嬢/元ハインの婚約者
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
人間(サリオン公爵家令嬢)
年齢
ハインと同年代
白銀
エメラルド
色白
顔印象
冷たい系美人
服装
公爵家令嬢の高級ドレス/学園制服
所持品
細剣
一人称
わたくし
口調
「~ですわ」高飛車な敬語。負けを認める器量はある
能力
サリオン家独自の結界術(自身の周辺を超えて展開可能)の精密操作。剣と結界の併用戦闘
性格
自分にも他人にも厳しい悪役令嬢タイプ。サディスティックな面と受け身体質の矛盾を抱える
「あなたに私の事をエスメラルダ・イラ・サリオンとしてはっきり認識させたいと思っています」
本来

ハインとの婚約を我慢して継続していたが、帝都急襲での失態を機に正式破棄。勇者アゼルの恋人の一人となり、魔王討伐後に人間に毒殺される。

現行

ハインへの反骨心から始まり、現在は彼の強さに向き合う姿勢へ変化。婚約は継続中。

SELENA ILA FAFNIR セレナ・イラ・ファフニル
ファフニル子爵家令嬢/真の聖女(未覚醒)
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
人間(ファフニル子爵家令嬢)
年齢
ハインと同年代
身長
やや小柄
ブロンド/ミディアムヘア
スカイブルー
体質
魔力が甘い花の香りとして漂う
顔印象
小動物めいた、大人しそう
服装
学園制服
一人称
口調
おどおどした敬語
性格
控えめで大人しい。アゼルに惚れている/ヤンデレ気質の萌芽
「え、えっと……ハイン様、なんでしょうか……?」
本来

原作における聖女。アゼルの恋人の一人として覚醒し、魔王戦で死亡する。

現行

ハインの介入で聖女として覚醒していない。ヤンデレ気質のみが残り、アゼルへの執着が芽生え始める。

ガイネス帝国関係者

GAINES EMPIRE

帝都の権力中枢を担う人々。宰相派と亜人貴族派の対立、占星院、皇族、そして帝都周辺で活動する冒険者パーティまでを含む。

皇族・宰相府
VALFRIED ヴァルフリード
ガイネス帝国皇帝(昏睡中)
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
人間(男)
服装
帝国皇帝の正装
役割
ガイネス帝国の現皇帝。本編時点で昏睡状態にあり、宰相派と亜人貴族派の権力闘争の焦点となる
本来
魔王ベルゼイによって器として狙われていた
DIGITALIS ILA MARICIA ジギタリス・イラ・マリシア
ガイネス帝国宰相/通称「女狐」
一人称
わたくし
口調
冷徹で計算高い
思想
人間至上主義
役割
亜人弾圧の推進者。アステール家・サリオン家を中心とする亜人貴族派と政治的に対立する
本来

亜人弾圧を極限まで推進、帝国を内側から腐敗させ恐怖政治を敷く。最終的にヴァルフリードを傀儡化。

現行

ハインの力に魅入られ、征服欲が崇拝に反転。第二章では和解の兆しが見える。

EUGEN オイゲン
帝国副魔術師長/ジギタリスの手駒
性格
高慢で卑俗
主張
根源魔術こそが至上
経緯
ハインとの杖比べで公衆の面前で面目を潰される
GREGOR ALTMANN グレゴール・アルトマン
帝国占星院主席占星術師
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
人間(男)
服装
帝国占星院の礼装
逸話
ハインの夢精による「逆天の星」を魔王復活の予兆と解釈、戦時体制移行を促した
CAERA ILA FALBLOOM カエラ・イラ・ファルブルーム
ファルブルーム子爵家令嬢/エルフェンの血統
初出
EP53。ハインの母への感謝を伝えに来る
役割
亜人たちの希望の象徴
紅の花弁(冒険者パーティ)

銅等級の四人組冒険者パーティ。本来の歴史では強化個体ストーン・ビートルとの遭遇で全滅し、前衛ルイーザは七日間苗床にされた。現行世界ではハインの介入により生存する。

LOUISA ルイーザ
紅の花弁/全身鎧の前衛
一人称
あたし
性格
陽キャ・テンション高い
口癖
「うるさい!」
本来
強化個体ストーン・ビートルに苗床にされ7日後に死亡する筈だった
SYLVIE シルヴィ
紅の花弁/赤毛の弓手
性格
おしゃべり、矢継ぎ早の質問攻め
口癖
「ねー」
本来
鉤爪で胴体を薙がれ即死する筈だった
MINA ミーナ
紅の花弁/小柄な魔術師
性格
寡黙
口癖
「……すごい」
本来
腕を引きちぎられ背中を貫かれて死亡する筈だった
VIOLA ヴィオラ
紅の花弁/黒髪の斥候
性格
毒舌・冷静、温度のない声
口癖
「……黙って」
本来
甲殻の隙間に短剣で飛び込むも頭部を潰される筈だった

旧魔王軍

FORMER DEMON KING ARMY

先代勇者に討たれた魔王ベルゼイの残党。本拠はダルクヘイム(大陸西端の漆黒の城塞)。ネザシア海(深淵の海)が天然の防壁となっていた。竜種で構成された精鋭集団。

BELZAY 魔王ベルゼイ
先代勇者に討たれた魔王/蟲の魔族の群体
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
蟲の魔族
形態
蟲の群体として存在
計画
皇帝ヴァルフリードを器にしようと暗躍
結末
EP42〜43、帝城上空でハインの「星の火」で完全消滅。母への純粋な愛は負の情念ではないため復活不可
IGDRA イグドラ
西方方面軍師団長/魔竜・航空竜兵部隊長
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
竜(男)
全長
50メトル超
赤(赫怒時に燃え上がる)
身体特徴
巨大な竜の姿/鋭い爪と尾
性格
人間への憎悪と復讐心に燃える。部下の死に歯噛みする自責の念
経緯
帝都強襲(EP6)で相棒「空喰い」オルムンドを失い失意。ダルクヘイム要塞外の洞窟に住まう
本来
平行世界ではアゼルに消滅させられる
SHARKI シャルキ
西方方面軍師団長/竜人(火竜系)
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
竜人(女)
ショート/赤
顔印象
挑発的な薄い笑み、メスガキっぽい
口調
自信家の女性口調。プライドが高い
経緯
EP15〜22で勇者暗殺を企て帝都潜入するもハインに撃墜・捕獲。部下は全滅。EP22〜23でオーマに喰われてアステール公爵邸の使用人と化す
「許さない……絶対に許さないわ!」
FARIS ファリス
ダルクヘイム要塞の師団長/氷竜
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
竜(女)
蒼銀/ロング、サラリと流れる
蒼/氷竜眼(青く粘液を纏う球状)
顔印象
整った美貌、お嬢様めいた外見
身体特徴
整った肢体、凄絶な凍気を纏う
性格
プライド高い
実力
イグドラに次ぐ
経緯
「老雄②③」(EP45〜46)でグラマンと激闘の末、左眼を奪われる
ORMUND オルムンド
航空竜兵の猛将/通称「空喰い」
VISUAL SPEC ── 外見仕様
種族
竜(男)
顔印象
鋭い眼差し
役割
イグドラの忠実な部下
経緯
帝都強襲(EP6)の先鋒として送られ、ハインの撃退で失われる

他国関係者

FOREIGN POWERS

ガイネス帝国外の各国・各勢力の重要人物。ユグドラ公国・ノルン王国の本来の歴史で起きる筈だった悲劇を、現行世界では回避しつつある。

FABIAN 不死王ファビアン
古代の死霊/ユグドラ公国を蹂躙する筈だった存在
本来
大森林深奥の封印から完全復活し、ユグドラ公国を「屍の塔」と化す筈だった
現行
ハインによる三本の塔の破壊により不完全復活に留まり、戦乙女エイラの槍で討たれる
ELLA エイラ
聖女マリーシアの末裔/戦乙女
能力
強い破邪の力、白銀の槍
経緯
ハインに出会い狂信、不死王ファビアンを討伐
変化
討伐後「黒衣の神」を崇める異教を始め、信徒を集めつつある不穏な動向
本来

仲間を殺され、不死王の慰み者あるいは苗床として惨たらしい最期を遂げる悲劇のヒロイン。

現行

ハインを「黒衣の神」として崇める異教の開祖。第二章の不穏要素の中核。

AVIANA アヴィアナ
ノルン王国宮廷魔術師/グルンベルドの異母妹
境遇
異母兄グルンベルドの暴虐に苦しむ、精霊の血を引く宮廷魔術師
本来
異母兄に犯され、血と肉を喰われて死ぬ
現行
ハインの力を知り、王を殺害して自らの目を潰し雪原に消える
GRUNBELD グルンベルド
ノルン王国の王/狂王
本来
魔狼に変貌、極寒の北方で国民を虐殺する狩り場の主となる
現行
異母妹アヴィアナに殺される
LISETTE NEBEL リゼット・ネーベル
薬師/ユグドラへの旅でアゼルと同行
一人称
口調
落ち着いた敬語、薬師らしい実務的な響き
初出
EP146。乗合馬車でアゼルと隣に座る
経緯
アゼルに心服し、旅の相棒を自任

魔術体系

MAGIC SYSTEMS

魔力の扱いはパンチの打ち方と同じで無数のバリエーションが存在する。以下は主要な代表系統で、この枠に収まらない独自流派や家伝の術も世の中に無数に存在する。術者ごとの解釈・応用で姿を変えるのが魔術の常態。

主要な代表系統

  • 血継魔術特定の血筋にしか扱えない。十二公家が有名だが、他貴族家にも同種の特殊魔術を伝える家は存在する
  • 根源魔術最も広く知られる。逸話・伝承を拠り所に魔力を変換(マーリンが祖)
  • 精霊術精霊との契約を介する魔術
  • 刻符術符を媒介とする流派
  • 降霊術霊を下ろす流派
  • 変容術対象の形質を変える流派
これらと別枠で「天術」──魔力を外に放出せず内側で完結させる術(身体強化が代表例)──が存在。魔術師一般が修めるが、勇者と聖女は神の選定(祝福)を受けるため、結果として天術の出力が桁違いに跳ね上がる。なお同じ根源魔術でも、ハインのように逸話部分を分解して独自再構築する術者もおり、系統は固定枠というより"流儀の目印"に近い。

アステール家の魔術 ── 星辰魔術

  • ラ・ファール飛翔・空中飛行
  • ウィ・プル斥力場・攻撃を弾く防御膜
  • グラウ・ヴィス引力場・対象を引き寄せる
  • 地極星母重鎖陣(テラ・クレイドル)母なる大地の怒りの具現化。超重力で敵を圧殺
  • 星の火核融合に匹敵するエネルギーを生む最大攻撃魔術。魔王ベルゼイを消滅させた
  • 複層振動魔術7171層の超薄型積層魔法陣によるマッサージ/肉体再生

サリオン家の魔術 ── 結界術

  • 結界を切り離し自在に加工する精密操作
  • 体内に結界を生成して致死させることも理論上可能
  • 結界を加速台として利用可能
  • 自身の周辺を超えて展開可能な広域結界
エスメラルダの戦闘スタイルは細剣+結界の併用。攻撃の軌道上に微小な結界を展開し、敵の一撃を逸らす精度を誇る。

魔王と勇者の二極

魔と天の二つの絶対性の体現が、それぞれ魔王と勇者。勇者と聖女は神の選定(祝福)を受け、その結果として天術の出力が突出する。勇者と魔王の争いは神の代理戦争とされ、負の情念では魔王を斃しきれないため、対魔王の"機能"として選定された勇者でなければ完全には滅ぼせない──とされてきた。

ハインはこの法則の例外。勇者ではないが、魔王ベルゼルを凌駕する魔力量──魔の絶対性そのものの上位者として、魔王を消滅させた。本来アゼルが果たすべき役割を、ハインが先に完遂した格好となる。

ハインの魔術

HAIN'S INCANTATIONS

作中でハインが詠唱を伴って行使した魔術の一覧。ハインは「理を解せば最小限の魔力で魔術が扱える」ため触媒は不要で、行使する魔術の大半はオリジナル・スペル。以下、典拠となるEP/行番号を併記。

ラ・ファール(飛翔)

LA-FAR — flight
詠唱──ラ・ファール(飛翔)
アステール家血継(星辰魔術)。宙に浮かび高速飛行する術。名称宣告のみの短詠唱。ハインの飛翔最高速度は時速およそ二万五千キロルで、ユグドラの森から帝都まで二分とかからない。

ウィ・プル(斥力場)

WHI-PUL — repulsion field
詠唱──ウィ・プル(斥力場)
アステール家血継。薄い斥力膜を張り、物理攻撃を押し返す防御魔術。大斧の刃を紙一枚の距離でぴたりと止めるなど、出力は使用者の魔力量に比例する。

グラウ・ヴィス(引力場)

GRAU-VIS — attraction field
詠唱──グラウ・ヴィス(引力場)
アステール家直系にしか扱えない血継魔術。星と星の間に働く大いなる力の再現。自身と対象を星に見立て、対象を強制的に眼前へ召し出す。授業中に私語を垂れる生徒を教壇前へ引きずり出す使い方もする。

地極星母重鎖陣(テラ・クレイドル)

TERRA CRADLE — gravity chains of the mother earth
詠唱(星喚びの祈祷)母たる地神へ、我が子を害さんとする仇に対して母の怒りを賜らんことを──(祈祷内容。具体文言は明示されず)

魔術名宣告──地極星母重鎖陣(テラ・クレイドル)
母たる地神の怒りの具現たる重力鎖。超重力で敵を地に縛りつけ圧殺する。ハイン曰く「お前の立つその場だけが重くない。一歩でも踏み出せば潰れる」。ユグドラの白い塔を収縮潰壊させた大規模行使例あり。

星爆破孔天光弓(アステル・ストライク)

ASTEL STRIKE — meteoric star-bow
詠唱(星喚びの祈祷)──ヴァー・レイ・ロブレス・オムニ・ス・ファレス。星蓋よ、砕けて墜ちよ

解放詠唱『星よ! 天より来たりて破砕せよ! 星爆破孔天光弓(アステル・ストライク)!』
遙か星界とチャンネルを繋ぎ、宇宙空間に漂う直近の小惑星を強く誘引して敵に叩きつける。本編で使用されたのは直径5メトル級の隕石だが、これはハインが魔力を抑えた結果。巨大な王城も一撃で粉砕する威力。

逆星塵滅無辺無尽光(ウヌス・ラー)

UNUS LA — particle-theory original spell
詠唱『廻り回りて回帰せよ! 逆星塵滅無辺無尽光(ウヌス・ラー)!』
ハインが粒理論を応用して編み出したオリジナル・スペル。物質や存在を根源の粒へと還元・回帰させる大威力魔術。ハインが行使する魔術の大半はオリジナル・スペル。

超最強劣等絶滅破壊砲(オメガ・レイ)

OMEGA RAY — solar-focused annihilation cannon
詠唱『灼気在れ! 超最強劣等絶滅破壊砲(オメガ・レイ)!!』
幼少期に光を束ねて焼き切る遊びを、遠距離砲撃魔術として再構築したオリジナル・スペル。大気中の水蒸気を制御して直径約五キロメートルの原子レベル結晶レンズを形成し、太陽光を集束。出力はテラワット級、局所的にはペタワット級。

星の火

STAR FIRE — nuclear fusion incantation
宣告「劣等、悉く星の火の前に燃え尽きるべし」

詠唱──『ラ・バ・ヌーラ・ヴェニト(来たれ、大日輪の法界よ)』
ハインが振るう最大攻撃魔術。原子核融合によって生み出される膨大な熱エネルギーで、敵とその魔術を一切合切焼き払う。「バ」は「バン」とも読み、あらゆる厄災を退ける太陽神の加護を意味する。発動に先立ち世界を護るための結界を自前で構築することが前提。魔王ベルゼルを復活不能なまでに消滅させた。

星圏破空(アナイ・ア・レイション)

ANNIHILATION — vacuum annihilation field
精霊召喚(四精+星神)──『スピリトゥス・テルラエ(大地の精霊よ)』
──『スピリトゥス・イグニス(炎の精霊よ)』
──『スピリトゥス・アクワエ(水の精霊よ)』
──『スピリトゥス・ウェンティ(風の精霊よ)』
──『デウス・ステルラルム・マグヌス(大いなる星神よ)』

発動詠唱──『ダ・マニブス・イン・ディスクリミネイト!(万理を砕く槌となれ)』

宣告「死ねィ! 劣等共! 『星圏破空(アナイ・ア・レイション)』」
作用点から半径六十九キロル圏内を真空地帯に陥れる広域殲滅魔術。圏内の生物は呼吸不能、血液沸騰、内臓崩壊で例外なく絶命。境界では気圧差による突風が発生し、巻き込まれた者は宙に舞い上げられる。数十万の合従軍を一挙に殲滅したハインの戦略級魔術。

劣等殲滅冥界波(オキシジェン・デストロイヤー)

OXYGEN DESTROYER — aquatic particle annihilation
詠唱(古代語)────マーテル・テ・アモー、テ・アモー、スペロー・テ・イン・アエテルヌム・サーナム・マネーレ。
母上の御世に仇なす不浄よ、その結合を解き、無に還れ

発動宣告「劣等殲滅冥界波(オキシジェン・デストロイヤー)!」
右足を大地(氷原)に叩きつけて発動するオリジナル・スペル。ハインの魔力波が水中の『生命の粒』に接触し、その構造を『死の粒』へ書き換える。水棲生物は体内から崩壊し、水そのものが猛毒と化す。詠唱の意は「母よ、愛しています、愛しています、永遠に健やかで在りますように」。母への祈りが殲滅魔術の駆動源となる典型例。